タイルの名古屋モザイク工業株式会社

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TILE TREND COLUMN #8

海からのおくりもの

Amalfi breeze
アマルフィのそよかぜ

ヴィエトリ・スル・マーレのマジョリカ陶器

イタリア・ナポリの南、ティレニア海に張り出したソレント半島。その海岸沿いの街、ポジターノからヴィエトリ・スル・マーレまで、約30‌kmに渡って続く「世界一美しい海岸線」と言われる景勝地は、アマルフィ海岸の名で呼ばれています。1997年にその景観の豊かさと芸術的・文化的価値により、ユネスコの世界遺産に登録されました。

中心都市のアマルフィは、839年、ナポリ公国から独立を宣言してアマルフィ公国となり、イスラム勢力との抗争のなかで、徐々に勢力を拡大させていきました。その後も公国の首都、貿易の拠点として発展し、一時はピサやヴェネツィア、ジェノヴァと地中海の覇権を争い、黒海にも商業活動を広げています。アマルフィの最盛期は11世紀までで、その後、度重なる異民族の侵略で衰退していきました。現在、アマルフィを訪ねると、急峻な崖に沿って建設された中世都市の街並みは、とても狭く、後背地もないので、公国としての偉容といにしえの繁栄が幻のように思われます。しかし高潮や地滑り、11 世紀と14世紀の2度に渡る大きな暴風雨によって、旧アマルフィ市街のほとんどは海の下に眠っているということです。このアマルフィでの土産物に、特産品のレモンを使ったお酒、リモンチェッロ、そして近隣で作られているマジョリカ焼きの陶器があります。

アマルフィ海岸の東端、サレルノの手前にあるヴィエトリ・スル・マーレ(Vietri sul Mare)は、海岸めぐりのスタート地点。「海の上のガラス(Vietri=ガラス、Sul=上の、Mare=海)」を意味する、マジョリカ陶器のドームとタイルで覆われた家々のある小さな港とリゾートの街です。マジョリカ陶器は、この街を世界的に有名にしました。フィレンツェを経て、ルネサンス後期の16世紀にこの地に到達し発展したマジョリカ陶器は、数百年をかけて洗練された美しさを獲得し、様々な種類があるイタリアのセラミック製品のなかの一つの典型となりました。陶器に描かれる題材は、日常生活の素朴なものが多く、漁師や彼らの船、アマルフィ海岸の海の生き物など、思わず手に取ってみたくなるような、人々に愛されるモチーフが今も生み出されています。
 
マジョリカ  Majolica 
マジョリカ焼き(マヨリカ焼きとも)の名は、スペイン・マヨリカ島が生産地という意味ではなく、かつてそこが陶器交易の中継地だったことに由来すると言われています。それがイタリアにもたらされて発展。ルネサンス期にイタリア陶芸を一気に開花させました。マジョリカ焼きの特徴は、独特の製造工程にあります。まず、素焼きした粘土に不透明錫釉を施し、焼成せずにいったん乾燥。できあがった白い表面層の上から、顔料で彩色します。その際、釉が顔料を吸収するため修正は不可能ですが、焼成によって彩色が鮮やかに映えるのです。そもそも発色に優れた技法であったことから彩色技術や顔料開発が進展。光沢感を増すため、さらに透明釉をかけて焼成する方法も生まれています。マジョリカ焼きはいっそう華麗になり、現在へとつながっています。

海からのおくりもの
Handmade Design - AR.CE.A.

陽光輝く地中海が目前に広がるヴィエトリ・スル・マーレから半島内陸部へ約5kmほど。急な坂道を昇った渓谷に、カーヴァ・デ・ティッレーニ(Cava De' Tirreniという街があります。開放的なヴィエトリ・スル・マーレの風景からは一転して、山の眺望が清々しく、落ち着いた雰囲気のある地域です。住宅をはじめ、あらゆる建物の屋根瓦がオレンジ色一色で、よりイタリアらしさを感じるすばらしい景観が広がっています。この街で昔ながらの手作りでタイルを製造しているノスタルジックな工房が、アルチェア(AR.CE.A.)。ハンドメイドに誇りを持ち、手作りの技法にこだわった工房です。職人の描く絵には、素朴でかわいらしいものが多く、この工房独特の雅趣に富んだ味わいがあります。またデザイナーも多数起用して、オリジナル性にもこだわっています。先のアマルフィ土産の陶器は、現地ではありふれたものですが、アルチェアの作品はここでしか製作できないものばかり。その背後には、常に完璧な製品を製造するための研究があります。それは、芸術を気取るものではなく、あくまでも実用的で身近なデザインといえます。主な題材は、タコやウニなど日本人にもなじみの深い海の生き物達がモチーフ。 タイルやお皿、テーブルトップから大きな壺まで、海好きにはたまらない、様々なインテリア製品を制作しています。

ヴィエトリ・スル・マーレのハンドメイドタイル |受注輸入品

デザイナーのバルバラ・タルノ(Barbara tarno)が手がけたシリーズ。地中海の魚たちをモチーフにしたハンドメイドタイルです。

ARC-F1001
aguglia
ARC-F1018
salmone
ARC-F1019
barracuda
ARC-F1022
cefalo
ARC-F1023
tracina
ARC-F1011
cernia
ARC-F1016
spigola
ARC-F1021
storione

Barbara tarno バルバラ・タルノ
ナポリ美術学院景観学科卒業。インテリアとトロンプ・ルイユを学びキャリアをスタート。セラミックとの出会いは、バルバラがデザインへの興味を深めるきっかけとなる。フィレンツェ大学でヨットインテリアデザインの修士号を取得。長年インテリアデザインの仕事に携わり、ヴィンテージボートの修復プロジェクトに従事。陶磁器工房アルチェアのタイルやインテリア用品コレクションのデザインを手掛ける。特に「il Pescato」、魚をデザインしたシリーズは、地中海の魚たちを描いた傑作で代表的な作品となる。ファッションデザインにおいても、ハンドメイドシルクの着物を制作。

 
 

2023.2.15