タイルの名古屋モザイク工業株式会社

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TILE TREND COLUMN #16

ヴェネツィアから見るタイル〈前編〉

Italy - Venice
歴史と浪漫に満ちた、水の都ヴェネツィア


リアルト橋(Ponte di Rialto)から眺めるヴェネツィア運河の幻想的な夕暮れ

ヴェネツィアは、イタリアの美しい水の都として知られ、水上の運河と歴史的な建築物が織り成す独特な雰囲気は、世界中から訪れる人々を魅了し続けています。運河が街全体に広がり、ゴンドラが静かに水上を進む光景は、まるで絵画のような美しさで、この水上の交通手段はヴェネツィアの象徴ともいえます。建築物においてもヴェネツィアは独自のスタイルを持ち、特にサン・マルコ大聖堂(Saint Mark's Basilica)は、ビザンティン様式を代表する大聖堂として有名で、その周辺の歴史地区とともに世界遺産として登録されています。

Saint Mark's Basilica

ヴェネツィアのランドマーク、サン・マルコ大聖堂

 

アーチ部分には金のモザイク画

サン・マルコ大聖堂の内部中央

サン・マルコ大聖堂はヴェネツィアのシンボルの一つとして知られており、ヴェネツィア共和国の守護聖人である聖マルコに捧げられ、その聖遺物が聖堂内に祀られています。9世紀に建てられてから幾度もの修復工事が行われており、大理石などの装飾やバジリカの上にそびえる5つのドームが特徴的で、ビザンティン様式の煌びやかな装飾と彫刻が見事に調和しています。大聖堂の内部も見逃せません。豪華絢爛な内装は、当時のヴェネツィアの富と繁栄を物語っており、多くの芸術作品や宗教的な彫刻が教会内部に展示されています。例えば黄金の祭壇画「パラ・ドーロ(Pala d'oro)」は、12世紀にコンスタンチノープル(現イスタンブール)で創られ、十字軍が戦利品としてヴェネツィアに持ち帰ってきたものです。(コラムvol.14も併せて参照)大聖堂の近くにはサン・マルコ広場が広がっており、ガラス工芸品や仮面などのヴェネツィアの特産品を楽しむことができます。


仮面の装飾が施されたイタリア特産品、リモンチェッロ

ヴェネツィアのレストランのガラス製ランプ

ハンドクラフトの味わいと優しい透明感が魅力の世界屈指の工芸品、ヴェネツィアングラス

ヴェネツィアは、ガラス製品やカーニバルのマスクなどの伝統工芸品でもよく知られ、サン・マルコ広場周辺の小さな工房では、熟練の職人たちが美しいさまざまな伝統工芸品を制作しています。ヴェネツィアで制作される美しいガラスは主にヴェネチアングラスと呼ばれます。フィリグラーナ(Filigrana)やミルフィオリ(Millefiori)など多くの精巧な技法で作られ、その独自のデザインや高度な職人技術から、世界的に高い評価を受けています。ヴェネツィアングラスの歴史は長く、その起源は13世紀といわれます。当初、ガラス製品は主にランプや窓ガラスとして制作されていましたが、ヴェネツィアの職人たちはその後、さまざまな色と模様を組み合わせて独自のスタイルを築き上げていきました。優れた透明度と独特の模様が特徴で、彼らは代々受け継がれる伝統技術を守りながら、新しいデザインや技法にも挑戦し続けています。シャンデリアやランプ、フラワーベース、アクセサリーなど、さまざまなアイテムに展開され、機能性と美しさを見事に融合したヴェネチアングラスの工芸品は、インテリアにも独創性と華やかさを添えています。また、ヴェネツィアングラスはアートピースとしても高く評価されており、モダンアートや彫刻の要素を取り入れた作品は、ガラスという素材の可能性を広げ、芸術としての価値を高めています。

Vividly colored glass tiles made of Venetian glass
ヴェネツィアングラスを使った色鮮やかなガラス製タイル
 

カルネバーレⅡ / Carnevale Ⅱ

往年取り扱っていた人気商品「カルネバーレ」をより現代的にアレンジして復刻したコレクション「カルネバーレⅡ」。表面にヴェネツィアングラスが施されており、インテリア空間の一部として取り入れることができます。ヴェネツィアングラスの透明感と優しい色合い、波のようにゆらぐ光の反射を美しく表現しています。色は、赤や青、黄、多色ミックスなど全部で9種類あり、ハンドクラフトの味わいを感じるイレギュラーエッジ仕上げが特長です。


TMC-R2350

TMC-R2330

TMC-R2310

カラフルな壁と屋根の建物が並ぶムラーノ島は、島全体が芸術作品のような美しさ

ムラーノ島でつくられる伝統的なガラス工芸品、ムラーノグラス

ヴェネツィアングラスの中でも有名なのが、ヴェネツィアに程近い小さなムラーノ島の限られた職人の手によって受け継がれてきたムラーノグラスです。ムラーノグラスは、熟練の職人の手によって一点一点生み出され、約1000年に渡り受け継がれてきたガラス工芸品で、クリスタルのような輝きとは一味違う、優しい色合いや美しいマーブル模様、温かみのある透明感が特徴の、全工程ハンドメイドでつくられる希少なマテリアルです。


ムラーノグラスの制作風景

1934年ムラーノ島で生まれた、現代ガラス芸術の巨匠 リノ・タリアピエトラ(Lino Tagliapietra)

アトリエに展示されているリノ・タリアピエトラの作品

Murano glass 100% italian handmade - All the colors of the sea

世界の海の色をモチーフにして、ムラーノグラスと水の動きを融合させたガラス製タイル

ムラーノデルマーレ / Murano del mare

2022年春に販売を開始した「ムラーノデルマーレ」は、サルデーニャ島(イタリア)、フィグツリー湾(キプロス)、ポート・ヴィクトリア(オーストラリア)、リーパリ島(イタリア)、バイカル湖(ロシア)、ミコノス島(ギリシャ)の、世界中の海や湖のブルーをガラスと融合させた、幻想的なモザイクタイルです。

このコレクションは、ムラーノグラスの魅力を広めるため、インテリア空間のアートピースとして使いやすいように開発されました。サイズは45.5×22角と22角の2種類で、浴室以外の屋内壁に使用することができます。ムラーノグラス特有の模様やテクスチュアを繊細に再現しており、伝統的な美しさと現代的なデザインの融合を実現した「ムラーノデルマーレ」は、ラグジュアリーな雰囲気を演出しながらも、モダンで魅力的な空間を創造します。


イタリアのサルデーニャ島(Sardinia)

AND-T2202(22角)
大きなガラス板を小さくカット加工して使用する
ネット張り加工の様子

ヴェネツィアのコラム後編では、ヴェネツィアのさらなる魅力に迫りながら、2024年春発売の新商品をご紹介します。(4月中旬公開予定)

 
 

2024.3.19