FINALIST 2022

和やかな賑わい
京都市内の築20年になるマンションの1室。経年による設備の劣化とライフスタイルの変化を契機にスケルトンリノベーションを計画した。友人を招いてのホームパーティや趣味の洋裁を楽しむための居心地の良い空間を目指し、「和」を取り入れながらも既存家具が映える、モダンな雰囲気のデザインとしている。繊細な組子と調和するよう模様と色合いに特色のあるタイルを組み合わせ、畳や敷居との取り合いにも配慮した。木の有機的に表現される賑わいと、タイルやコンクリートによる無機的な静寂との相反性が、不思議とこの場に「和み」を与えている。

「チューニングストン」RFN-X7080

プライベートテラスにより拡張されるLDK
近隣住宅からの視線を遮る為に高い壁を施したプライベートテラス。アウトドア家具やプランターを配置し、屋内外で床タイルの素材を揃える事で、LDKがプライベートテラスまで拡張された広がりのある空間を演出した。

「モンティニャック」CTC-X7230F・X7170

光と気配の相互関係
集合住宅のリノベーションである。空間を3枚のガラスブロック壁のみで分節したワンルームである。光と気配の相互関係が心地よい空間を目指した。その為、照明は最小限に、素材はガラスブロック、タイル、モルタル、塗装のみとし、色はグレーに統一した。床タイルはグレーの表情の「アーバンネイチャー」を採用し、シンプルかつ上質な空間になるよう設えた。

「アーバンネイチャー」PA-X4440

機能美の集大成
稀有な眺望に恵まれた庭に、人間工学を元に、座り心地の良さが長時間続くベンチを計画した。このベンチで重要な役割を担うのが「グラジール」である。平滑なタイルの座面は長時間座ると荷重が局部に集中し、臀部に痛みが生じる。一方、「グラジール」の適度な凹凸・テクスチャーの違いが、5cm四方という最適なサイズでランダムに配置される事で、肌触りが良く滑りにくい、荷重を適度に分散させる、圧倒的な心地良さを実現した。蹴込みの「イリジオ」は、光を効果的に拡散させ明るさを確保すると共に、ランダムなミラーによって適度な奥行きを錯視させる狙いがある。双方のタイルに代え難い役割がある点で、機能の面で一歩踏み込んだ新しいタイルの使い方となった。

造作ベンチ／「グラジール」GRZ-2
ベンチ蹴込み／「イリジオ」EVS-R2500

タイルで変化を
大空間の中にあるデッドスペースとなりがちな小空間（スケルトン階段下）。スケルトン階段の普及に伴い、そのような小空間を大空間に変化を与える素敵な空間にしたいと考えました。リズム感のある「デンバーストン」を掘り下げた床だけでなく、連続して壁まで立ち上げ造作のカウンターでとめる事で小空間を広く見せると共に大空間の平面的・立体的なアクセント空間となるよう考えました。アプローチからメインデッキは踏板と蹴込板のタイル・カラーを変える事で浮遊感のあるデザインとすると共にリズムのある空間構成とすることでご家族様にとってのON・OFFの気持ちの切りかえ（変化）ができ、リラックスできる空間となるよう考えました。

階段下／「デンバーストン」PST-U3641
テラス／「リンナ」HD-LIN-U110
テラス蹴込み／「マキアーラ」MAC-630-03

空気の澄みわたる清潔感のある空間を求めて
木造住宅特有の温かみの中に、名古屋モザイク工業のタイルをふんだんに使用することにより透明感と清潔感を実現しました。広くはない家ですが、床と壁のタイルを統一することにより広々とした空間を感じることができます。また、玄関ホールに2種類のタイルを使用することで、玄関ドアを開けた瞬間から高級感があります。幼い娘が、タイル上で積み木をしたり、室内自転車に乗ったりするのですが、強い衝撃にも耐えられるつくりのため、安心して自由に遊ばせられます。

LDK壁床／「ロックソルト」CMI-X5520P
テレビボード壁／「ラヴィータ」MSY-U9150
玄関ホール壁／「ストリーク」STR-U50F
玄関ホール床／「バチカン パラディオ」PKQ4B05

More Naturally 〜心の赴くままに〜
商業ビル等が立ち並ぶ街中の一角、地元住民に愛される公園に面する立地のクリニック併用住宅である。施主は、景観に溶け込む自然をイメージした建物を希望していた。施主の要望に応えるべく、外壁は木目調のタイルや、自然石をイメージするタイルを使用し、内部の床にも石目のタイルを使用した。街中の一角であるが、自然を感じさせる空間に仕上げる事ができた。住宅部分において、リビングルームの正面に位置する印象的な壁には、施主の趣味である渓流釣りの風景を連想させる滝のイメージをタイルにて表現した。

リビング壁／「アルケミー」AVS-U9620
外壁／「ナチュラレッツァ」PAN-O1030・「インストン」INS-17

パーティーリビングがある家
閑静な住宅地に建つご夫婦二人の住まい。ゲストを招くことが好きな施主のご要望を受け、約30帖＋吹き抜けの開放感あるLDKを計画。スキップフロアを設ける事で空間に変化を持たせています。主役となるモールテックス仕上げのオリジナルキッチンは、グレージュの色むらが美しい大判タイルを合わせ、無機質な中にどこかぬくもりを感じられる空間に仕立てています。

「コットメント」PS-X4210

周辺環境に頼る小さな家 外部を映すきらめく床
閑静な住宅街に位置する小さな敷地の小さな住宅である。敷地いっぱいに建てることが求められ、外部空間を豊かに確保できないことから、周辺の環境に頼ることで小さいながらも広がりを持つ空間を目指した。東側は大きな腰窓を配置し、プライバシーを確保しながら隣地の緑を取り込んでいる。南北にはそれぞれ外部からのアクセスが可能な土間を配置し、わずかな庭に面する南側の土間を延長した洗面と玄関が合体したような空間としている。そこの床を光が反射するモザイクタイルとし、庭を最大化した。さらに隣接する脱衣室は同種の深い緑のタイルを床から腰壁まで連続させ、庭を感じながらも落ち着いた居場所を実現している。

「アートモザイク施釉22.5角」ATS225-C-20・C-6

大胆な石目の魅力・引き立てるコントラスト
｢ノール」の持つ大胆な石目を背景に、プレーンな風合いのステンレスシェルフを対比的に重ね、商品を際立たせる計画。石目の背景壁と金属素材のコントラストは、陳列棚に階層的な奥行きを作る。野趣の強い「ノール」の石目をステンレスが直線的に縁取り、品のある風合いを生む。店舗はメインの通りから1つ入り込んだサブ通りに面し、人通りが少ない。遠目からでも印象的な「ノール」の石目は、華やかで存在感のあるファサードを作り、メイン通りからのアイキャッチとなる。

「ノール」OR-X3400・X3440

人とカカオの個性が輝くチョコレート店
本物件は障がい者の就労支援施設を兼ねたビーントゥーバーチョコレートの専門店です。障がい者の方と共にいちから作るクラフト商品を販売しています。閉鎖的な就労支援施設のイメージを変えたいとのオーナー様の思いや、チョコレートや働く人に気軽に会いに来れることをコンセプトにしており、調理場を店内外から見えるよう、ガラス張りにし、就労する障がい者もお客様も互いの様子が分かるように設計してます。ロゴや店名看板を設置する外観のシンボリックなタイルはピュアな心を持った純粋な個性が、就労支援を通して規律を持つことで、新たな価値を生み出すイメージでデザインしました。目地は既存の外部床のタイルに合わせ統一感を持たせました。

柱／「トロンヌ」SF-692-RFS-61・「チェルキオ」CEC-10・「フィアーバ」FIB-1
床／「ノール」OR-U3420

春夏秋冬
東京都八王子市にて大正元年創業の「荒井呉服店」。店舗の新装にあたり、着物をはじめ伝統工芸等では定番の“麻の葉”をモチーフにしたモザイクタイル「オータムネイル」にて、壁面意匠の提案をしました。ガラス素材による彩色、透明感や立体感、目地影の落ち方、規定の幾何学美など、繊細で多様な意匠が可能でした。採用プランは「日本の四季」をモチーフに「着物の帯（或いは店舗のある甲州街道）」を挟むように4分割し、流れるような「春夏秋冬」を表現しました。既存9種全ての色を使い、その変化のみで四季を表現しています。呉服店らしく、上品で可愛らしい「和モダン」な仕上がりになり、クライアントに喜んでいただくことができました。

壁／「オータムネイル」 特注デザイン
カウンター腰壁／「イリーデ」IR-S-315

継承
100年以上の歴史ある老舗飲食店居抜き物件の風格を継承して、再利用できる材料は形を変えて配置するなど出来る限り店内に残しています。その空間でも違和感なく馴染むタイルを選定しました。

「ノール」OR-U3430

五感で楽しむトンネル
サイコロ食パンのモーニングで知られる、一宮市のカフェ「クローチェ」さんの2号店。このお店は、豊かな自然に恵まれた東白川村の交流拠点である飲食店をリノベーションして生まれました。エントランスホールをくぐると、煉瓦積みのパン窯にもぐりこんだようなトンネル空間が訪れた人々を迎え入れます。トンネル内にはパン売り場とカウンター席を設けました。カウンター席の前には緑豊かな風景を切り取る水平窓を配置。村の自然とパンとベーグルの香りに包まれた、五感で楽しめる心安らぐ空間を目指しました。このトンネル内の壁と天井の仕上げ材に「ブルージュ」を採用しました。

「ブルージュ」BRU-20
※天井部に施工の際は事前にお問合わせください。

地域住民の憩いの場をリフレッシュ
築24年の温泉・レストラン・クラフトビール醸造所を持つ複合施設のリニューアルプロジェクト。カフェやショップが並ぶ、通りの機能を持たせたエントランス棟の床にはテクスチャーの異なる2種類のタイルを石畳のように組み合わせ、開放的な中にもしっとりとした落ち着きのある空間としている。大浴場には既存のテント屋根の明るさを活かし、一歩踏み入れると開放感を味わえるデザインとしサウナ室の壁面にはモザイクタイルを組み合わせて印象的な演出を試みている。

エントランス床／「ムーンストン」CFC-X1000・U1000・「アーバンネイチャー」PA-X4410・U4410
浴槽／「ファーレンハイト」FIA-X0710G
大浴場柱／「シェブ」SHB-S1・S2
大浴場床／「モデネーゼ」XCV-U3310G・U3330G
大浴場壁／「ファーレンハイト」FIA-X0720G
大浴場壁（模様部分）／「クリクレア」KUL-05・「グラバード」GRA-507・「プライムパプリカ」PP-50-03・「タフィー」TAF-01・05

菱形をモチーフに華やかで個性的なファサードデザイン
和食ビュッフェレストランの部分改装。ファサードデザインでは日本の伝統文様、菱形をモチーフに。ベースに墨色の菱形タイルをそこに真鍮古美色フラットバーを用いて斜めに交差する大胆な格子ラインを入れ、華やかで個性的なファサードをデザインしました。

「マテリアプリマ」SEC-Z1580

充実した屋内あそび空間で、いつでものびのびあそべる園舎
園舎の老朽化による認定こども園の建替えです。シンプルで飽きのこないデザインをベースに、 タイルの色合いや表情をアクセントにしています。園舎のなかでも、子ども、保護者、職員をつなぐ重要な場所となるエントランス及び職員室は、あたたかみのある空間をイメージし、立ち寄りやすい場所となるよう意識しています。表情豊かなリブの付いたタイルと間接照明で、やわらかさとスタイリッシュさを表現しています。各トイレには、海や山といったテーマをもたせ、明るく楽しい場所を連想させる空間としました。直接的なイラストを用いることなく、タイルや壁紙の色や形状から、子どもたちが想像を膨らませることを意図しています。

腰壁／「プラネート」PLN-3
トイレ壁／「スプモーネ」SPM-MIX2

一人ひとりがいろんな色に輝ける保育園
園児一人ひとりの個性を色調表現したいと考え、外壁タイルに7色をデザイン張りの採用を考えました。グラデーション3パターンを考案し、暖かみが有りシンボルカラーとなる様な建物に仕上がりました。内装は自然素材を活かした雰囲気を演出し、玄関床にはテラコッタ風のタイルを採用しました。

外壁／「クラール」 特注デザイン
玄関床／「リューベロン」ERM-R1130G