タイルの名古屋モザイク工業株式会社

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タイルのメンテナンス

タイルは様々な建材の中でも、もっとも防汚性に優れ、また汚れがついた場合でも容易に手入れできる建材のひとつと言えます。しかしながら、経年のなかで大気中の排気ガスや煤煙、サッシ回りのシーリング材から溶け出す汚れ、モルタルやセメントの成分が主因となる白華汚れなどが目立つ場合もあります。一般的な汚れの原因とメンテナンス方法についてご案内いたします。

 メンテナンス フローチャート

施工部位と付着した物質などでメンテナンス方法が変わってきます。例えば外装壁タイルでは、ユニット糊や目地モルタル、セメント成分がタイルに付着、施工時の誤ったタイル面洗いにより汚れが発生する場合があります。経年的な汚れとしては、大気中の排気ガスによる汚れ、雨に含まれる成分による汚れ、シーリングや雨掛かりによる汚れが発生します。また、内装タイルでは生活や使用に伴う有機物である、油やタンパク質の付着汚れ、浴室ではぬめり等が固着する汚れがあります。様々な汚れの洗浄は、付着した物質によって適切な洗浄方法を選定することが重要です。フローチャートの手順で判別し、汚れの種類にあった洗浄方法でメンテナンスを行いましょう。

  • 洗浄はまず目立たないところで効果を確認した後行ってください。
  • 洗剤を使用する場合は、それぞれの取扱説明書に従って正しく使用してください。また、必要に応じて保護具を着用してください。
  • 酸性フッ化アンモニウムは、劇薬であるため取扱いは専門業者にお任せください。
  • 塩酸または酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜると、塩素ガスが発生する場合があります。同時に使用しないようご注意ください。
  • 塩酸や酸性洗剤を使用する場合は、金属製品がびることがありますので、金属製品にかからないよう注意してください。
  • 目地が酸で侵される場合がありますので、洗浄前に十分水湿しを行い、なるべく洗剤等がかからないよう注意してください。
  • 漂白剤や有機溶剤を使用する場合は、十分換気してください。
  • 洗浄後は、十分水洗いを行い、洗浄剤が残らないようにしてください。

 外装壁タイル

大気中の汚れが雨スジ状に付着した汚れについて

埃、排気ガス、煤煙などの汚れが壁面に付着し、雨水の流れる箇所に集中してスジ状に残る汚れです。水洗いや拭き取りのみで除去できます。排気ガス等の油性成分を含む汚れの場合は、中性洗剤で洗い流します。

 

シリコーン系シーリング材の溶出による汚れ

サッシ回りなどのシリコーン系シーリング材に含まれる低分子量成分が、雨水などによって周辺に溶出・拡散し、大気中の塵埃が付着した汚れです。中性洗剤を用いて、擦り洗いすることで除去できますが、再発する場合があります。

 

炭酸カルシウム等が付着した汚れ(白華:エフロレッセンス)について

タイルの目地部分から染み出し、タイルに覆い被さっているものが「鼻たれ」、レンガや無釉のタイル表面に白く粉が吹いているものを「粉吹き」として区別しています。

 

鼻たれ

セメントの硬化過程で生成する水酸化カルシウムが水に溶けて染みだし、乾燥時に空気中の炭酸ガスと反応して不溶性の炭酸カルシウムとなって付着するものです。ケレンでおおまかに除去したあと、希塩酸(30倍程度に薄めたもの)で洗い流せば除去できます。しかし、いったん発生した鼻たれは、水の侵入口をふさがない限り、容易には止めることはできません。

 

粉吹き

レンガや吸水の多い無釉タイルに限り発生する現象で、裏面のモルタル、セメントから水分が染み出し、この中に溶け込んでいた物質が表面で乾いて付着してしまうものです。これは水に容易に溶け、水洗いで除去できますが、またすぐに発生します。通常は2∼3年でタイル内の細孔がふさがり、発生しなくなります。冬場の北側壁面でよく発生します。粉吹きを水洗いで除去した後、タイル表面が乾いたらシリコーン系撥水剤を塗布することが有効です。

注意 発生しやすい部位は、亀裂の下部、窓回りの下部等水が侵入しやすい所です。このため、水が侵入しないようにすることが重要です。
・亀裂が発生しないように、亀裂誘発目地を設けてください。
・開口部のシーリング材は間の無い様に充填してください。
・タイル施工時に、タイル裏面に間がないようにモルタルを充填してください。

 
  

無水ケイ酸が付着固化した汚れ

セメントや大気中に含まれる無水ケイ酸、炭酸塩、硫酸塩がタイル表面に付着するとそれ自体は透明ですが、光の干渉によって、油膜のような虹色に見える「虹彩現象」が発生します。この内、炭酸塩と硫酸塩は、水洗いや希塩酸による洗いで除去できますが、無水ケイ酸については除去が困難な場合が多く、特に金属光沢のラスタータイルや濃色系のタイルで目立ちやすい傾向があります。

虹彩現象とは?
虹彩現象とは、タイルやガラス、金属パネル等の表面にセメントや雨水に含まれる成分(非晶質無水ケイ酸・・・シリカゲル、炭酸塩、硫酸塩)が汚れとして付着し、薄膜を形成する現象です。タイルの表面に発生する虹彩現象のほとんどは、薄膜成分が水や塩酸で洗浄できない非晶質無水ケイ酸です。ユニットタイル施工時の糊残り・目地残りを除去するために濃塩酸での酸洗い、また、酸洗いを繰り返し行うことで目地材のセメント成分が分解し、溶出した非晶質無水ケイ酸がタイル表面に付着することが主たる原因であり、酸焼けとも呼ばれます。雨天での施工、水比の多いモルタルでの施工、雨掛りの部分等で生じ易くなりますので注意が必要です。タイル先付けプレキャストコンクリート工法(PCパネル打込み工法)の場合、養生時に目地部分に溜まった雨水等に硬化途中のコンクリートから非晶質無水ケイ酸が溶け出し、タイル表面で固着し虹彩現象が発生する場合があります。どのようなタイルでも起こり得る現象で、特にラスタータイルのように光沢度の高い製品や、黒色などの濃色、いぶし調、レンガ色は目立ちやすい傾向にあります。
 

 
虹彩の洗浄方法は2通りありますが、ⓐの方法から予め目立たない箇所でテストを行ってください。なお、虹彩は塩酸等の酸では除去できません。酸洗いを繰り返すことで、目地材のセメント成分が分解し、かえって目立つようになる場合がありますのでご注意ください。
ⓐ機械的な除去方法水で湿らせた硬質研磨剤を含まないナイロンたわしでタイルの表面に付着した虹彩部分を削り取ります。さらに水を含んだメラミンフォームで拭き取ります。
ⓑ化学的な除去方法機械的な除去方法で効果が現れない場合に、酸性フッ化アンモニウムのようなフッ酸系の薬品を用いますが、薬品濃度や使用条件により、タイル表面まで傷めてしまう場合がありますので、ご注意ください。

 
 

目地残り

モザイクタイル等の表紙貼りユニットタイル商品については、タイル表面に目地材が残り美観を損ねる場合がありますので、下記の点にご注意ください。タイル表面の糊残りを少なくするため、紙剥がし時は、紙が濡れ色になるまで水を十分にかけ、紙に水が浸透するまで時間をおいた後(約3分)、紙剥がしを行ってください。タイル表面に糊が残っている場合は、目地詰め前に水洗いを行い、タイル表面の糊を完全に除去してください。目地詰め後はタイル表面に目地材が残らないよう、直ちに拭き取りを行ってください。特に表面に凹凸のあるタイルは長時間放置すると目地材が取れなくなりますので注意してください。洗いは、目地詰め後早い段階で水または15∼20倍に希釈した希塩酸を用いて、スポンジやナイロンタワシ、タワシで洗浄してください。

表紙貼りユニットタイル施工における注意点

タイルの清掃と洗いについては、JASS19目地詰め∼清掃及びタイル面洗い「JASS19 セラミックタイル張り工事 2022」において細かく方法が記載されています。表紙貼りユニットタイルは、施工しやすいようにタイルの表面に台紙を張付けて連結しています。ユニットタイル施工において、紙貼りに使用されているユニット糊をタイル表面に残した状態にしておくと、目地詰め後の拭き取りや水洗いまたは酸洗いを行っても、糊残りによる汚れや目地材残りが除去できず、さらには誤った洗浄方法により砂目地化や虹彩現象(酸焼け)、糊残り部のカビなど新たな不具合につながるケースがあります。このような事態を未然に防ぐために、以下にユニット糊の除去と洗いに関するポイントをまとめますので、ご理解の上ご対応ください。

 

ユニット糊の除去

タイルの清掃は、タイル張り後及び目地詰め後十分に行う必要があります。特に、ユニットタイルにおいてはユニット糊の除去を丁寧に行う必要があります。ユニットタイルの糊は、タイルの意匠(模様や粗さ)により除去性に差が出ます。表面に凹凸があるタイル、光沢度が低く面状の粗いタイルほど、丁寧な作業で表面に付着した糊や目地の除去が必要となります。ユニット糊はデンプンでできており、放置して固まってしまったデンプンは結晶化状態に戻り、水に分散しにくくなります。再び糊化(やわらかい糊状)するためには、お湯による加熱、またはアルカリで糊化を促進することが必要です。

※酸洗い(塩酸洗浄)ではでんぷん糊は糊化しませんのでご注意ください。

※必ず糊化(やわらかい糊状)状態での擦り洗いで糊を除去し、十分な水で洗ってください。

 

 ユニット糊の除去と洗いのポイント

     

水湿しとユニット紙剥がし十分な量の水で、3分間水湿し放置後にユニット紙を剥がしましょう!

水湿しが不十分(放置時間・水量)だと、タイル表面に残存するユニット糊量が多くなり、目地材残りが生じやすくなりますので注意が必要です。

ユニット糊除去ユニット糊をしっかり除去し、紙剥離後は長期間放置しないようにしましょう!

ユニット糊はユニット紙剥離後の放置時間が長くなる程、水への分散性が低下します。ユニット糊の主成分であるデンプン糊は放置により乾燥硬化と結晶化が進行します。特に冬期は気温が低いので結晶化が早く進みます。

目地入れ目地入れ前に、タイル表面に糊が残っていないことを必ず確認しましょう!

ユニット糊が残った状態で塗り目地を行うと、目地材と糊が混ざり合い目地材残りの原因になります。糊で固まった目地材は酸洗いで除去しにくくなります。

目地拭取りタイル表面に目地材が残らないように拭き取りましょう!

タイル表面にユニット糊が残っていなければ、目地材の拭き取り作業がやり易くなります。

タイル表面洗浄目地材がユニット糊と混ざり合って除去困難な場合は、酸洗いの前にアルカリ洗浄を行いましょう!

タイル表面に残る目地材除去のために、繰り返し酸洗いをしたり、高濃度の酸を使用すると、虹彩現象(酸焼け)や砂目地化といった新たな不具合が発生することがあります。硬化したユニット糊は酸には溶解せず、湯やアルカリに溶解する性質があります。

 

 

酸洗いの注意事項

酸洗い(希塩酸洗浄)の前にタイル面と目地部に散水し十分水湿しを行ってください。これにより、タイルや目地の内部に塩酸が染み込みにくくなります。(水湿し無しでの酸洗いは行わないでください。)酸洗い後は散水を繰り返し行い、酸がタイルや目地部にできるだけ残らないようにしてください。十分な水湿しや散水を行わず塩酸が残った場合、塩酸が目地のモルタル成分を分解し、目地の変色やタイル表面の虹彩現象(酸焼け)につながる場合があるため、十分注意してください。ユニット糊と目地材が混じって固まると、糊が膜になり酸洗いでは目地材を除去しにくくなります。タイル表面に付いた目地材を除去しようとして、酸濃度を高くしたり、何度も酸洗いを繰り返すと、目地自体が酸で分解し、砂目地化やタイル表面の虹彩現象(酸焼け)になる場合があるため十分注意してください。

※工業用塩酸(36%)を水で30倍に希釈すると約1.4%の希塩酸になります。

 内装壁タイル

一般的な屋内壁

屋内壁の汚れは生活で発生する埃や手垢の付着がほとんどです。日常はモップでの埃取りや雑巾での乾拭きを行ってください。手垢は固く絞った雑巾で拭き掃除してください。

キッチン

キッチンの汚れは食用油や調味料、洗い水の飛沫が主な原因となります。タイル表面に付着した油などの飛沫は、時間の経過やガス器具から発生する熱などによって変質、硬化し落ちにくい汚れとなります。タイル表面の付着物が変質する前に、日頃から拭き掃除用の中性洗剤などで洗浄することが汚れ防止のポイントとなります。中性洗剤などで落ちにくい場合は、弱アルカリ洗剤をご使用ください。また、汚れが硬化してしまった場合はスポンジ等に液体クレンザーを付けて擦り落としてください。この際にあまり強く擦ると、タイル表面に傷が付く場合がありますのでご注意ください。目地に付着した汚れは、古い歯ブラシなどに洗剤を付けて軽く擦り落としてください。

玄関・ポーチ

玄関・ポーチの汚れは靴についた土や汚れた雨水の持ち込みによるものがほとんどです。日常のメンテナンスとしてモップ・ホウキ、掃除機等で掃除を行ってください。付着汚れは水や市販のタイル用洗剤を使用して、ブラシ等で擦り洗いまたは拭き掃除を行ってください。汚水は再付着しますので乾湿両用集塵機で除去するか、きれいなモップ・雑巾等で除去してください。

浴室・洗面所・手洗い場

浴室の汚れは主に身体から出る脂質や垢、石鹸、シャンプーなどの泡、湯垢の付着によるカビやぬめりが原因となります。それがもとで滑りやすくなり、転倒事故につながる事がありますので、汚れの種類にあった洗浄とお手入れで清潔な浴室を保つ必要があります。

 

湯垢・ぬめりなど

浴室用洗剤を塗布し、しばらく放置した後、研磨材の入っていないスポンジやナイロンブラシで擦ってください。十分な水で洗い流し、手で触ってぬるぬる感、ざらざら感がなければ汚れは取れています。

 

浴室用洗剤で取れない汚れ

浴室に石鹸カスなどの汚れが付着し、水滴がついたまま放置しておくと、うっすらと白い汚れとなります。これは石鹸の成分や身体の油脂分が水中に含まれるカルシウムなどと反応してできる「金属石鹸」と呼ばれる物質で、一度付着してしまうと中性洗剤では落ちにくくなってしまいます。また、使用している水に鉱物成分が多く含まれている場合、その成分が頑固にこびりついてしまうこともありますので、液体クレンザーを布などに付けて根気よく擦って落としてください。ただし、あまり強く研磨するとタイルの表面に傷が付く場合があるのでご注意ください。

目地のカビ

目地は表面が多孔質で汚れを吸収しやすく、カビが発生しやすい部分です。一般にセメント系目地材は、施工後一年位はセメントのアルカリ成分でカビの発生が抑えられますが、その後、中性化してカビが発生しやすくなります。発生したカビは、漂白剤(カビ取り剤)をかけてしばらく放置した後に水で洗い流してください。頑固なカビの汚れには、使い古しの歯ブラシなどで擦ると効果的です。日常の心掛けとしては、入浴後の換気を十分に行い湿気をこもらせないこと、カビの栄養となる石鹸やシャンプーの泡をシャワーで洗い流しておくことなどが、カビ発生の抑制に効果的です。

注意
・浴室用洗剤を使用するときは、製品に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。
・漂白剤(カビ取り剤)を使用する場合は、換気を十分に行うよう注意してください。また塩素系漂白剤と酸性の洗浄剤(トイレ、浴室用洗剤に多い)を合わせて使用すると、有害な塩素ガスが発生し大変危険です。また絵柄の付いたタイルが色落ちしたり、金属系釉薬のタイルは変色する恐れがありますのでご注意ください。
・スポンジやナイロンブラシや液体クレンザーには、タイルや石材より硬い研磨粒子が入ったものがあります。浴槽などの樹脂製品、金属製品、大理石等の素材を擦ると傷が付く恐れがありますので注意が必要です。タイルについても目立たないところで傷が付かないか確認してからご使用ください。

 
 

トイレ

日常の清掃によって、汚れの固着・変質を未然に防ぐ方法が最も有効と言えます。掃除機でゴミを除去し、トイレ用の中性洗剤で拭き上げてください。すでに固着した汚れについては、スポンジ等に液体クレンザーを付けて擦り落としてください。この際にあまり強く擦ると、タイル表面に傷が付く場合がありますのでご注意ください。市販の洗剤を使用するときは、製品に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。

注意
トイレ用の酸性洗剤は、原液で使用すると、タイルの目地を傷めたり、タイルに染みや変色がでる恐れがありますのでご注意ください。洗剤に記載の使用方法や注意点をよく読み、目立たないところで変色等がでないか確認してからご使用ください。

 床タイル

一般にセラミックタイルは他の建材と比較して美観と共に防水効果・耐久性・耐熱性・耐摩耗性に優れ、メンテナンスが容易でランニングコストが低いことが特色です。ただし、タイル自体にわずかながら吸水性があるため、汚れが付着したままにしておくと、時間の経過と共に汚れが染み込んでしまいます。汚れが付着しにくい反面、一度染み汚れになると除去が困難になる場合があります。日常のメンテナンスや、定期的なメンテナンス、そして汚れの種類に応じたメンテナンスを行うことで美観を維持できます。
 

汚れの種類によるメンテナンス方法  

泥汚れ等

泥汚れはタイル表面にのっているだけですので、モップ・ホウキ、掃除機等で除去してください。

調味料・コーヒー・お茶・ジュース等

タイルの表面には肉眼で見ることのできない細孔(ポーラス)が開いており、わずかながら吸水性があります。例えば、床に醤油等がこぼれた場合、そのまま放置しておくと汚れが細孔(ポーラス)に染み込んでいきます。なるべく早めに拭き取るようにしてください。染み込んでしまった場合は、汚れ部分に漂白剤を塗り、汚れが目立たなくなるまで、ラップやビニール等で湿布することが効果的です。

油汚れ

油汚れは美観を損なう以外に、滑りの危険もありますので、なるべく早めに拭き取ってください。油は粒子が細かいため、長時間放置しておくと、タイル表面の凹凸に付着し凝固したり細孔(ポーラス)に染み込んだりします。この際にその他の汚れも一緒に付着してしまうので、市販のタイル用洗剤を使用してなるべく早めに除去してください。汚れの程度によって中性、弱アルカリ性、アルカリ性洗剤を使い分けてください。なお、市販の洗剤を使用するときは、製品に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。

湯垢・ぬめりなど

浴室用洗剤を塗布し、しばらく放置した後、研磨材の入っていないスポンジやナイロンブラシで擦ってください。十分な水で洗い流し、手で触ってぬるぬる感、ざらざら感がなければ汚れは取れています。

靴のゴム跡(ヒールマーク)

ゴム跡はゴムが浸透しているのではなく、表面に付着しているだけですので、水や中性洗剤で濡らし固くしぼった雑巾等で擦ってください。それでも落ちない場合はメラミンフォームや砂消しゴムを使って擦ってください。

タイヤ痕

タイヤはゴムやカーボン、油等の成分を含みます。タイルの表面でタイヤ成分が染み跡となる場合がありますので、自動車等の展示室では染み跡防止のためシート類の使用をお勧めします。タイヤ痕が付着した場合は、市販のタイヤ痕用洗浄剤を使用してください。

生肉・鮮魚・青果売り場の汚れ

生肉・鮮魚に含まれる脂分、動物性たんぱく質等が長時間放置されると凝固して汚れがこびり付くことがあります。菜物の踏みつけ汚れも同様で、水や中性洗剤で濡らし固くしぼった雑巾等で拭き取りできます。固まって落ちにくくなった汚れは市販のタイル用洗剤を使用してなるべく早めに除去してください。汚れの程度によって中性、弱アルカリ性、アルカリ性洗剤を使い分けてください。なお、市販の洗剤を使用するときは、製品に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。

その他の汚れ

ガム等が付着した場合はスクレーパーや別たち等でタイル表面を傷つけないように除去してください。ダイヤモンドパッド(鏡のウロコ取り)で擦り取るとタイル表面が傷付き汚れやすくなりますのでご注意ください。

屋外床用タイル(ノンスリップタイル)

表面に凹凸模様を施すことや釉薬でザラザラにすることで滑り止め効果を高めています。滑りが問題になる箇所に適しています。ただし、その効果の反面、凹凸やザラつきに汚れが付着しやすくなります。
 

タイル選定時の注意事項

使用部位で要求される滑り抵抗値に応じたタイルを選定してください。詳細はお近くの支店・営業所までお問合わせください。防滑効果の高いタイルは、汚れが付着しやすくなり、メンテナンスにも手間がかかります。白色・黒色は特に汚れが目立ちやすい傾向があります。

施工時の注意事項

表面に凹凸がありますので目地残りにはご注意ください。目地色によって目地残りが目立つ場合がありますので、施工前に目地詰めテストをしてご確認ください。樹脂系目地材は目地残りした場合除去が困難なことがあります。施工前に目地詰めテストをしてご確認ください。目地材に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。

メンテナンスについて

日常のメンテナンス

エントランス・ポーチの汚れは、靴についた土や汚れた雨水の持ち込みによるものがほとんどです。ホウキや掃除機などで行ってください。付着汚れは、デッキブラシやナイロン等のブラシ、または毛足の短い極細ブラシ付きスポンジ等を使って水洗いしてください。モップ等を使いますと、繊維がタイルに引っかかり繊維くずが付着しますのでご注意ください。強い汚れが付着している場合は、研磨剤の入っていないスポンジや、メラミンフォーム、中性洗剤等を使って水洗いしてください。なお、市販の洗剤を使用するときは、製品に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。汚水を乾湿両用集塵機で除去した後、速やかにきれいな水ですすぎ(リンス)、再度乾湿両用集塵機でタイル表面の洗剤成分を除去してください。または、セーム皮(天然または合成)、布状の合成吸水スポンジなどを使用し、軽く拭き取ると水分等を除去でき、拭き上げできます。残った繊維くずは掃除機で吸い取ってください。汚水を放置すると輪ジミになったり、汚れが再付着しますのでご注意ください。

  

定期的なメンテナンス

広い範囲の汚れは水または洗剤等を使用し、電動ポリッシャーなどで洗浄してください。研磨材の入っていないナイロン等のブラシ、パッドを使用してください。タイルの凹部や細孔(ポーラス)に入った汚れはメラミンフォームやメラミンパッドを使用してください。ただし、すぐに磨耗しますので新しいものに交換しながらご利用ください。水だけで汚れが落ちにくい場合はタイル用の洗剤を使用してください。汚水を乾湿両用集塵機で除去した後、速やかにきれいな水ですすぎ(リンス)、再度乾湿両用集塵機でタイル表面の洗剤成分を除去してください。洗剤は汚れの種類や程度により弱酸性、中性、弱アルカリ性、アルカリ性洗剤を使い分けてください。なお、市販の洗剤を使用するときは、製品に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。汚水を放置すると輪ジミになったり、汚れが再付着しますのでご注意ください。

居室床・屋内床用タイル

居室床の汚れは生活で発生する埃等の付着が多く、店舗等の汚れは靴についた土や汚れた雨水の持ち込みによるものがほとんどです。日常のメンテナンスとしてモップ・ホウキ、掃除機等で掃除を行ってください。付着汚れは水や市販のタイル用洗剤を使用して、擦り洗いまたは拭き掃除を行ってください。汚水は再付着しますので、乾湿両用集塵機で除去するか、きれいなモップ・雑巾等で除去してください。店舗等でより美観を保つ方法として、定期的に専門清掃業者の機械洗浄等もご利用ください。居室床・屋内床でご利用頂ける磨きタイルは、面状特性により選定時・施工方法・メンテナンス方法について注意事項があります。
 

磨きタイル

現在、弊社は無釉と施釉の磨きタイルを販売しております。磨きタイルは耐久性・耐摩耗性に優れ、メンテナンスが容易でランニングコストを抑えられることが特色ですが、面状特性により、施工方法・メンテナンス方法について注意事項があります。
  

タイル選定時の注意事項

磨きタイルは、水濡れする床では滑りやすいので使用しないでください。施釉磨きタイルは、表面に傷が付きやすいため靴履きで歩行する床には使用しないでください。無釉・施釉磨きタイル共に光や影の映り込みが揺らぎ真っ直ぐにならない、また隣のタイル同士と連続的な映り込みにならないことがあります。タイルはISOやJIS等の規格に基づいて製造されますが、凸反り・凹反り・ねじれ等がある場合があります。また、現場での施工誤差の影響もあります。なお製品の特性上、施釉磨きタイルの方がより反射の揺らぎが大きくなります。白色・黒色は特に汚れが目立ちやすい傾向があります。黒色の磨きタイルは色の特性上、反射具合や見え方がデリケートです。表面が変化または傷んでしまった場合、コーティング剤等での現場修復は難しいのでご注意ください。

施工時の注意事項

磨きタイルは、タイル表面を研磨仕上げした後、表面の細孔(ポーラス)を保護剤で埋めながら高光沢になるように磨き仕上げをしています。施工後タイル表面に付着している余分な保護剤は、水拭きや中性洗剤で洗浄してください。特に黒色の磨きタイルでは目地材除去後、目地部周辺の表面に付着した保護剤のみがとれてしまい、水の濡れ具合が変化して見える場合があります。磨きタイルを施工養生する時は、接着剤・張付けモルタル・セメントペースト・目地材が十分に硬化・乾燥してから行ってください。十分乾燥させずプラダン等で密閉するような養生をした場合、セメント等の成分を含んだアルカリ性の高い結露水がタイル表面の保護剤を傷めるため、汚れやすくなる場合があります。特に黒色の磨きタイルは、目地からタイル表面に白華現象(エフロレッセンス)が生じた場合、除去後も曇って見える場合があります。粘着力の強い養生テープ類、ガムテープ類、床用の装飾ステッカー等は、その粘着成分が磨きタイルの保護剤を剥離させますので使用しないでください。また、粘着力が弱いマスキングテープ等でも、長時間貼り付けたままにしないでください。いずれの場合もタイル表面の保護材が剥離すると、汚れやすくなるためご注意ください。

メンテナンスについて

日常のメンテナンス

化学薬品のついていないモップ、ホウキ等で掃き掃除を行ってください。化学モップの糸に含まれる溶剤成分等がタイルの保護材を傷めることがありますのでご注意ください。汚れが付着した場合には水または市販の中性洗剤を使用し雑巾等で拭いてください。酸性やアルカリ性の洗剤を使用しないでください。メラミンフォームは汚れ取りに有効ですが、日常的に使用したり、強く擦らないでください。保護剤を傷めタイル表面が汚れやすくなったり、曇ったりする場合があります。スチーム洗浄はタイルの保護材を傷め、曇りがでたり汚れが付着しやすくなるためご注意ください。

 

定期的なメンテナンス

汚れが固着している部分はスクレーパーや別たち等でタイル表面を傷つけないように除去してください。ダイヤモンドパッド(鏡のウロコ取り)で擦り取るとタイル表面が傷付き汚れやすくなりますのでご注意ください。ポリッシャーを使用する場合は、研磨材の入っていないパッドをご使用ください。研磨材が入っているパッドはタイル表面を傷めツヤ感が変化しますのでご注意ください。水だけで汚れが落ちにくい場合は、メラミンフォームやタイル用の洗剤を使用してください。汚水を乾湿両用集塵機で除去した後、速やかにきれいな水ですすぎ(リンス)、再度乾湿両用集塵機でタイル表面の洗剤成分を除去してください。洗剤は汚れの種類や程度により弱酸性、中性、弱アルカリ性、アルカリ性洗剤を使い分けてください。なお、市販の洗剤を使用するときは、製品に記載の使用方法や注意点をよく確認してからご使用ください。